極薄ムーブメントのデザイン革命

元々懐中時計の技術を応用して造られた腕時計は、 20世紀半ばにしても相当にぶ厚くスマートさに欠けていた。 ムーブメントが薄くなりさえすれば、さらにデザインの幅も広がる。 しかし小さな腕時計をさらに薄くすることは、 当時の技術では至難の業だったのである。 新しい工場を建設し順風満帆だったピアジェは、 極薄ムーブメントの設計・製造に乗り出す。 スイスの小さな村工房から培われてきた匠の技は、 不可能を可能にした。 1957年、わずか厚さ2mmの手巻き極薄キャリバー9Pの 開発に成功したのである。 これによりピアジェのクリエイティビティは 格段に世界観が広がった。 この薄いムーブメントの上に、 デザイナーたちの才能が爆発的に開花したのである。 極薄ムーブメントの技術革命は ピアジェを宝飾時計の粋にまで押し上げただけでなく、 世界の時計の歴史を変えてしまったのだ。

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